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神栖市で活躍する医師

医療過疎地とは思えないハイレベルな循環器専門病院
でも個人の時間がしっかりある

鹿嶋ハートクリニック
心臓血管外科センター 副センター長
末梢血管センター センター長

籠島 彰人 (かごしま あきひと)様

資格・認定
日本外科学会 外科専門医
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構 心臓血管外科 専門医
日本脈管学会 脈管専門医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト指導医・実施医
下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会 指導医・実施医
浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会 実施医
日本血管外科学会認定血管内治療医

医療過疎地とは思えないハイレベルな循環器専門病院
でも個人の時間がしっかりある

私が神栖市で働き始めてから1年以上が経ちます。これまでは出身大学である福島県立医科大学のほか、主に福島県内の関連病院に心臓血管外科医として勤務していました。40代も半ばを過ぎ、心臓血管外科医としてのキャリアだけでなく、今後の働き方を考えるようになりました。具体的には人口減少と高齢化、病院機能集約化と医療過疎、医療費増大と医療経営、働き方改革と医療クオリティの維持など、相反する問題が無視できなくなっている中で、専門性の高い心臓血管外科がどのように働き、どう貢献していけるのかを意識するようになりました。そのときに偶然知ったのが、現在勤めている鹿嶋ハートクリニックの存在です。

鹿嶋ハートクリニックについてまず驚いたのは、この限られた医療圏と施設規模にも関わらず心臓血管外科手術が行われていることです。それだけでなく数々の施設認定を受けていること、難易度の高い疾患に対しても内科外科問わず非常に良好な治療成績であることにも驚きました。医療過疎地にも関わらず、このような循環器に特化した病院がどうやって成り立っているのだろうと、少なからず疑問と興味を持つようになりました。 何度か見学に来ることでその理由がわかりました。心臓血管外科だけでなく、循環器内科、麻酔科の先生も経験が豊富で非常にレベルが高いこと、日本を代表する心臓血管外科の先生から直接バックアップや指導を受けているなど、中身を見ればある意味当然と言えるものでした。
さらに衝撃を受けたのは、そのような多くの症例をこなしハイレベルな医療を提供しながらも個人の時間が十分に確保されていることです。通常、心臓血管外科医は長時間の手術だけでなく、つきっきりの術後管理を行います。それだけでなく緊急手術や呼び出しのため休める暇が本当にありません。トイレやお風呂ですら電話を手放せず、病院に行かない日などは年に数日で休みが取れないのが当たり前の生活でしたが、ここでは本物の休日があります。

安定していたキャリアの中、あえて地元から離れここで働きたいと思ったのは、医療過疎地にも関わらずこのような高いレベルの医療を提供している病院に魅力を感じたこと。それに加えて、この地域に私の専門である血管の疾患を扱える医師がほとんどいなかったことも影響しました。神栖市には日本を代表する工業地帯があり、さまざまな企業の労働者の方たちが暮らしています。遠方より赴任される方も多いでしょう。私がここで血管疾患に対して早めに介入することができれば、診断や治療のために遠くの病院を頼らなければならない方や、日本を支えている労働者の健康を守ることに貢献できるのではないかと思ったのです。

迅速な検査によるスピーディな診断
優秀なスタッフが診療を支える

鹿嶋ハートクリニックの強みは、循環器疾患に特化しているからこその専門性の高さです。患者さんにとって不安なのは、自分がどのような状態なのかどうか分からないこと。例えば、動悸がする、胸が苦しいといった症状があったら命に関わるのではと心配になりますよね。だから病院を受診するのですが、医師から「大丈夫ですよ」と言われても、その根拠がしっかり示されなければ不安が残ってしまうかもしれません。必要に応じて十分な検査を行った上で「こういう所見だから大丈夫です」、あるいは「このような治療が必要です」と丁寧に説明されて初めて納得できるのではないでしょうか。それだけではなく、診断のために遠く離れた病院へ一日がかりで行かなければならない、行ってもすぐに診察を受けられない、入院や検査の予約が数週間先になるといった問題もあります。可能な限り早く診断をつけてもらって、問題があれば直ぐにでも治療をしてもらいたい気持ちはみなさん同じだと思います。

当院ではそのために、あらゆる循環器疾患の検査ができる体制が整っています。分院では土・日曜にも受診や検査が可能な体制を整えており、検査を受けていただいた当日から翌日のうちに結果を説明できるので、治療まで効率よくスピーディに進むことも特徴です。これらは、当院のモットーである「誠実・医学的根拠・効率」にも通じます。
また、専門性の高い優秀な医師がそろっていることも強みの一つ。同僚の私から見ても、治療経験が豊富で実力のある先生たちが集結しています。手術や麻酔、術後の管理まで含めて、ハイレベルな医療が徹底されていますし、医師だけでなく看護師や臨床工学技士、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、栄養士、医療事務といったコメディカルスタッフのスキルや意識が非常に高くいつも迅速に対応してくれます。おかげで自身が携わる心臓血管手術は本当にスムーズで良好な結果、ひいては自分の時間の確保につながっています。 ただし、まだスタッフ数が十分とは言えず、病床数も限られているため、緊急の受け入れに制限が出てしまう場合もありますが、当院が掲げる「患者さんのニーズに応じて最善の医療サービスを提供する」こと、そして「医療過疎地でも大学病院と同等レベルの医療を提供すること」が実現できていると思います。

短期間でたくさんの症例を経験できる穴場的エリア
短期間で資格取得やスキルアップが期待できる研修

当院では、内科・外科に限らず循環器疾患を幅広く診ているので、研修を受ける先生にとってはとても勉強になると思います。当院で働いている医師たちは、すでに専門医や指導医の資格を取得しているので競合がありません。つまり、それは若い先生たちが来られたらたくさんの症例を経験できることが確約されているようなものです。都市部とは異なり、効率よく多くの症例を経験することができますから、これから循環器系での専門を目指す先生が学ぶにはぴったりの環境ではないでしょうか。短期間であってもここでの診療を経験すれば、きっと得るものがあるはずです。 当院には筑波大学の学生さんたちが「地域医療」の実習に来られますが、「この地域でここまでの医療を提供しているのか」と「地域医療ではない」と違う意味で驚かれることが多いですね。
心臓血管外科というとハードなイメージがあると思いますが、働く環境によってはしっかり自分の時間を確保しながら、技術を磨いていくこともできます。私自身、この地域で高いクオリティの医療を提供できていることに責任と同時にやりがいを感じておりますし、同じようにこの地域で働きたいと思ってくれる先生が一人でも増えてほしいと思っています。

行政と医療が協力し合える関係
共に課題に向き合っていく

神栖市は、「神栖市若手医師きらっせプロジェクト」をはじめとした医療課題に対するアクションが活発です。医療提供側からすれば心強くありがたいサポートだと感じます。
私が今、課題に感じているのが、働き盛りの方たちへの予防医療です。特に私の専門でもある血管疾患に関しては、血流障害や動脈瘤など血管疾患を早めに発見できるような取り組みが必要だと考えています。動脈瘤破裂や心筋梗塞、下肢の虚血壊死を生じてしまえば、就労不能どころか生命に関わる大きな損失になってしまいます。これらは早めに診断ができ、適切に介入されれば防ぐことが可能です。循環器疾患は生活習慣病に大きく関わりますが、健診だけではわからないものもあります。たとえば、血管に狭いところがないかを調べるために手足の血圧を測る簡単な検査があるのですが、その検査を受けるためだけに働き盛りの世代がわざわざ病院に行くのは大変です。しかし、もし毎年受けている健診項目にプラスαでこの検査が組み込まれていたら、検査のハードルが下がり、早期発見につながるでしょう。他にも肝臓や腎臓をみる腹部の超音波検査で、たまたまお腹の大動脈瘤が見つかることも多くあります。もちろん財源の問題もあるので、すぐに健診の内容を変えられるわけではありませんが、一つ項目を増やすだけで疾患のリスクを減らせるのなら大きな意義があると思います。
神栖市では、きらっせプロジェクト内の分科会などを通じて、その時々の課題について話し合える環境が整っており、今後も引き続きそれぞれが課題と感じていることを共有し、前向きに取り組んでいけると嬉しく思います。 医師が新しいことを提案し、それを行政がバックアップしてくれる体制があるのは、医療と行政の関係性が近い神栖市ならではの良さだと感じています。

労働者層への啓発活動で
神栖市を「健康の街」にしていきたい

これまで何度か、医療法人玉心会主催の市民健康勉強会で講演をしたことがあります。医療者だけでなく、企業や市民が集まる場があることは、地域全体の健康意識を高める上でも大切だと思います。そもそも循環器疾患といっても、一般の方たちにはピンとこない、どんな疾患なのか分からないということがほとんどでしょう。どんな病気で、どんな症状があり、何で困るのか、どんな治療があるのかなどを分かりやすく伝えると、それをきっかけに予防や治療へとつながっていきます。そういえば自分の家族が…など聞いてくださった方たちからの反響もあるので、今後も積極的に続けていきたい活動です。
私の目標は、神栖市を「ここに来れば循環器疾患で困ることがない街」にすること。特にこれからは、神栖市の人口構成に大きく関わっている労働者層に向けた啓発活動には力を入れていきたいです。労働者の健康損失は企業、地域ひいては日本の損失になってしまいます。ですから、神栖市の工業地帯は他の工業地帯よりも有意に循環器疾患が少ない、良い意味でやたら健康意識が高いとなれば良いアピールになるのではないかと思います。転勤などで転入者の多い地域ですから、企業にとっても心強いエリアと認識されたいですね。神栖市は産業医の方も多く関わられていると聞きます。産業医の先生たちとの積極的な協力と連携は、大きな強みになると考えています。 私は現在、神栖市で単身赴任をしていますが、車があれば必要なものは市内でだいたい事足りるので生活に困ることはありません。サッカーも好きなのでスタジアムへ足を運ぶこともあります。物価も安く、とりあえず茨城県の農産物は全部おいしい。そしてコスパが良くおいしい飲食店が本当に多くあります。昔ながらのお店が多いのですが、その雰囲気もまた素晴らしく毎回感動しています。特に食事に困る単身の先生にとっては不自由なく暮らせるのではないでしょうか。

取材日:2025年9月19日
鹿嶋ハートクリニックの詳細はこちら

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