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若手医師きらっせプロジェクト
アドバイザーからのごあいさつ

ADVISER

プロジェクトを通して、神栖市の医療に関わる面白さを知ってほしい

神栖市若手医師きらっせプロジェクト コーディネータ永井 秀雄(ながい ひでお)様

若い医師たちが地域で活躍できる
わくわくしながら学べる場所に

茨城県には水戸市やつくば市などの発展都市がある一方、県全体に平野が広がり、人が住める可住地面積が大きいのが特徴です。そのため約290万人の人口が各エリアに分散しています。そのなかで県の最東南端に位置する神栖市は、縦に長く、大規模な工業地帯と古くからの漁業や農産業が両立する地域。東京駅からは高速バスで1時間半ほどの距離です。

「若手医師きらっせプロジェクト」が取り組むのは、若い医師たちに「面白い!」と思ってもらえるような仕組み作りです。そのためにまずは教育体制を整えることが大切だと思います。若い医師たちをしっかり指導できるベテラン医師たちが、安心して働ける環境をつくること。そうした優秀な人材がリーダーとなり、若い医師たちがのびのびと学べるようにしていきたいと考えています。しっかり医療の基本を身に付けながら、都会では経験できないような、この地域ならではの医療の面白さを感じてもらえれば嬉しいです。

医療に携わることは決して楽しいことばかりではありませんが、厳しさから学べることも多くあります。若い先生たちには「なぜ医師になろうと思ったのか」という原点を忘れずに、ぜひこの地域で活躍してもらいたいです。

バックアップ体制を整えて
広い視野で医療に取り組む

現在、神栖市が抱える医療の問題は、救急の受け入れや、夜間の診療体制など、医師不足によるものです。市には神栖済生会病院と白十字総合病院の2つの総合病院がありますが、この地域の中だけですべての医療を完結させるのは難しいのが現状です。そのため千葉県銚子市をはじめとする隣接する周辺地域と、どのように連携を深めていくのか、患者さんのためにベストな医療を提供するにはどうすればよいのかを、私たちは考える必要があります。そうした地域全体を見渡すような視点を持つことは、若い先生たちにとっても貴重な経験となるはずです。

医師が求められる地域ではありますが、若い先生たちが「すべての患者さんに対応しなければならない」と負担に感じることがないよう、今後はバックアップ体制を整えていきます。重症の患者さんを受け入れてくれる病院と連携をとりながら、自分たちのできることをしっかりやる。そうした役割分担ができていれば、安心して治療ができると思います。

治療を終えた患者さんはまた地域に戻ってきますので、そのときに自分たちの診療を振り返って技術を高める。そうした努力で医療レベルを上げていくことが重要なのです。

地域全体を盛り上げながら
若い医師たちを育てていきたい

若手医師きらっせプロジェクトでは、病院と地域住民が一緒になって話し合い、お互いに意見を出し合いながら進めていくことを目指しています。地域全体として医療への理解が深まれば、その良い雰囲気が若い先生たちにも伝わるのではないでしょうか。

例えば、病院でお祭りを開催するなど、地域住民にとって病院スタッフが身近な存在になるようなイベントを企画すれば、もっと私たちのことを知ってもらえるはずです。住民の皆さんたちにもプロジェクトを共に盛り上げていただき、若い先生たちの活躍を地域ぐるみで応援していきたいと考えています。

その取り組みの一つとして、学生実習の受け入れがあります。筑波大学の5年生は、神栖市内にある病院やクリニックで地域実習を行っているのですが、病院内での研修はもちろん、魚市場やメロン農家に行くなど、地元の方たちと触れ合う機会を設けているのが特徴です。それが学生たちにはとても喜ばれています。

病院に来る患者さんたちが普段はどのような生活をしているのか、病院の中にいるだけでは見えないものが見えてきますし、在宅医療に携わる先生のもとで訪問診療を経験すると、訪問看護師やリハビリスタッフといったさまざまな専門職のサポートによって、一人の患者さんが支えられているのだと気付かされます。地域のなかに出て行き学べるのは、貴重な経験です。私たちは、きらっせプロジェクトを通して、若い先生たちにもそうした体験をしてもらいたいと考えています。

この地での経験を活かして
高い目標に向かって一歩ずつ

若いときの経験は、後で必ず役に立ちます。そのときは無駄に思えても、決して無駄にはなりません。だからこそ若い先生たちには理想を高く持ってほしい。壁にぶつかったからといってすぐに引き返すのではなく、回り道をすれば次のステップアップのルートが見つかることもあります。私自身、そうして壁を乗り越えてきました。

医師として「早く経験を積みたい」という気持ちも分かりますが、最短距離で行くことを目標にしてしまうと案外もろいものです。高みを極めようと思えば、しっかりとした土台が必要になり、自然と裾野は広がります。例えば消化器外科では、腹腔鏡の手技をひたすら磨くことも大切ですが、高齢者で心臓が悪い患者さんにはどうするか、何種類も薬を飲んでいる患者さんはどうするか、的確に判断するためにはさまざまなこと知っておかなければなりません。医師として幅広く経験を積むことが、患者さんに対してのベストな診療につながるのです。

神栖市での医療を通して、一人ひとりが将来の目標となる医師のイメージを描いていきましょう。ここは、それができる場所です。

資格・認定

  • 医学博士号取得(東京大学)
  • 外科指導医・専門医(日本外科学会)
  • 消化器外科指導医・専門医(日本消化器外科学会)
  • 消化器がん外科治療認定医(日本消化器外科学会)
  • 胆膵外科高度技能指導医(日本胆膵外科学会)
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • 日本肝胆膵外科学会 名誉会員
  • 日本胆道学会 特別会員
  • 小切開・鏡視外科学会 設立理事
  • 日本外科感染症学会 インフェクション・コントロール・ ドクター
  • 日本人間ドック学会健診情報管理指導士

経歴

1973年
東京大学医学部医学科 卒業
東京大学医学部附属病院 研修医
1974年
社会保険群馬中央総合病院 医員
1978年
東京大学医学部付属病院 医員
1980年
東京都老人総合研究所 主事
1983年
東京大学医学部第一外科 助手
1986年
西ドイツ・ヴュルツブルク大学外科留学
1988年
国立療養所東京病院 医長
1991年
自治医科大学 消化器・一般外科 助教授
1999年
自治医科大学 消化器・一般外科 主任教授
2004年
自治医科大学附属病院 副院長
2007年
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター病院 院長
2014年
自治医科大学 名誉教授
2015年
茨城県立中央病院 名誉院長
常陸大宮済生会病院 顧問
2019年
さいたま記念病院 院長
2023年
公益社団法人地域医療振興協会 練馬光が丘病院 副管理者

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